「ひどいです!」
「私、怒っていますよ!」
「もうたくさん!」
「いいかげんにして。」
「もう我慢できない。」
次から次へと言葉が耳に流れ込んでくる。ぼくは口を開く
「諸君!今日は君たちに」
思いは10代に飛ぶ。
教壇で、K先生が中学生のぼくらに語りかけた。
「今日は君たちに、K式ロシア語勉強法を教えよう」
K先生は大学時代ロシア史を専攻し、今もぼくらに世界史
「ロシア語に限らず、外国語というのは、会話の聞き取り
相手、特にロシア語ネイティヴの会話についていくのはた
そんなときはK式ロシア語勉強法を使うのであります。
つまり、ネイティヴとの会話の主導権をこちらが取ってし
前もって、こんな話をしよう、こんな話題を振ろうと用意
相手から話しかけられたらどうしよう、と受け身で待つの
覚えておいたロシア語構文で話しかけると、相手が返答す
全部聞き取ろうとして、それからロシア語で答えようとし
K式ロシア語勉強法により会話の機会を貪欲に積み重ねて
大人になってもロシア語を学ぶ機会はないが、K式ロシア
そんな思い出に浸っていると、再び現実に引き戻された。
「よくそんなことが言えますね。」
「あなたが何を考えているのかわかりません。」
「売り言葉に買い言葉ですよ。」
「いい人だと思っていたのに。」
「君とは絶交だよ。」
「もう連絡もしないで。」
「弁護士を通してください。」
今までこうした言葉を面と向かって言われたことはない。
ましてやこれからの人生でこんな言葉を自分から使う機会