「レモンがあるならレモネードを作れ」

〈(略)私はシカゴ大学を訪れ、学長のロバート・メイナード・ハッチンスにどう不安に対処しているのか訊ねてみた。彼はこう答えた。
「いつでも、シアーズ・ローバック社の社長だった、故ジュリアス・ローゼンウォルドのアドバイス、『レモンがあるならレモネードを作れ』に従うようにしているよ」〉(D.カーネギー『新訳 道は開ける』角川文庫 第17章)

 

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pyonaさんによる写真ACからの写真

withコロナ、ポスト・コロナの生活「ニューノーマル」について考えている。
ワクチンや新薬の開発が控えめに言っても一筋縄ではいかなそうな報道を見るにつけ、やはりこのコロナ禍は何かしらの変化をぼくらの生活に与えるのではないかと思うようになってきた。

 

コロナやコロナ禍は間違いなくb●ll sh●tなレモン(欠陥品)だが、この時代に天が与えたもうたこのコロナ禍というレモンから、我々はどんなレモネードを作れるのだろう?

 

個人的には、会合や会食が自粛され家族と過ごす時間が増えたことはまさに「レモネード」であるし、オンラインでのミーティング習慣なども「レモネード」であると思う。やってみたら良かった、これからも続けよう、という類のものだ。
子どもたちのリクエストで買った『鬼滅の刃』や『ダイヤのA』といった電子書籍も良かった。

 

「ピンチはチャンス」なんて言葉は嫌いだし(ピンチはピンチだ。ピンチに至る前にリスクは回避されるべきだし、ピンチが来るまでチャンスを探さないのも馬鹿げている)、コロナで失った、あるいは失いつつあるものは近代史上例をみないくらい大きい。
5月29日現在、世界全体の累計感染者は593万人、死亡者は35.8万人であり、刻一刻と増え続けている。また、アジア開発銀行の試算では、世界経済の損失は最大940兆円だという(日経新聞5月15日配信)。

 

そうした現実を思うと、「夢ならばどれほど良かっただろうか」と思わざるを得ないが、それでもなお生きる我々は、レモンからレモネードを作る方法を模索していくしかない。

 

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