GRITとGRAT/やり抜く力とやり過ごす力

成功したければGRITを、生き抜きたければGRATを。
 
聞くところによると、卓越したビジネスマンや経営者には共通点があるという。やり抜く力、GRITだ。
GRITを提唱したのはペンシルバニア大学のアンジェラ・リー・ダックワース教授だ。
ダックワース教授によれば、GRITは、
Guts(度胸)
Resilience(復元力)
Initiative(自発性)
Tenacity(執念)
からなる。
 
なるほど確かに成功者の形は様々だが、みな一様に「やり抜く力」がある。これは一面
の真実だ。
しかし一方で、一面の真実でしかない。モノゴトは時に多面体で、一面の真実の裏にはほかの真実がある。
 
常に気にしなければならないのは「生き残りバイアス」である。
生き残った成功者たちがみなGRITを持っていたからといって、GRITを持った者がみな成功するとは限らない。
GRITを持っていても、いやGRITを持ったゆえに生き残れずに成功を掴めなかった者もいるのではないか。
 
たとえば芸能の世界。芸能の世界は残酷だ。
度胸も復元力も自発性も執念も人一倍持ちながら浮上できない者は星の数ほどいる。
島田紳助は、GRITを持ちながらも10年経っても浮上できない芸人に引導を渡す目的でM-1を作った。コンビ結成後10年経ってもM-1決勝戦出られないくらいなら、別の道に行ったほうがアンタ幸せやで、というわけだ。
 
我々は、何をおいても生き抜かなければならない。
成功に固執しGRITと沈んでいくくらいなら、時にはほかのアプローチに乗り換えることも必要だ。GRITではなくGRATを提唱するゆえんである。
 
GRATとは次の4要素からなる。
すなわち、
・Guutara(ぐーたら)しんどいときはグータラする。肩の力を抜き布団にくるまってコンビニで買ったプチシュークリームを食べて動画を見る。活動を停止して、次の活動への力が腹の底に溜まるのを待つ。
・Rakusuru(楽する)必要最小限のことしかやらない。意識高い生活?きちんとした暮らし?そんなものは犬にくれてしまえ。大切なのはただ一つ、生き抜くことである。それ以外は些事だ。
・Arinomama(ありのまま)ダメな自分をひとまずありのまま認識する。受け入れなくてもよいから、ひとまず今、自分がダメな状態であることを直視する。「こんなはずじゃなかった」と現状を否定するから辛くなる。
・Through(スルー)めんどくさいことしんどいことつらいことは全てスルーする。元気が出て解決する気力が出てきてから一個いっこ取り組めばよい。
 
元気があるときは明日を目指してGRITでいけばよい。GRIT、やり抜く力で成功を掴めればそれは素晴らしいことだ。
元気がないときは今日のことだけ考えてGRATでいくことをお勧めする。GRAT、やり過ごす力で生き抜けば自然に明日も来るし、そのうち良い風も吹くだろう。
 
〈だから、あすのことを思いわずらうな。あすのことは、あす自身が思いわずらうだろう。一日の苦労は、その日一日だけで十分である。〉
エイメン。
 
蛇足)GRITとGRATをキャラクター化したものが「ぐりとぐら」です。覚えておいてください(嘘)

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