『必笑!お笑い芸人に学ぶビジネスマンのサバイバル戦略』(民明書房刊)(再掲)

読みたい本が本屋に無いときには、自分で作るしかない。
昨日から『必笑!お笑い芸人に学ぶビジネスマンのサバイバル戦略』(民明書房刊)という本を夢想している。
You may say I'm a dreamer,but I'm not only one.

夢想の本の書き出しはこんな感じ。...
<ジャパニーズ・ドリームとは何かと問われたら、筆者はいつもこう答えることにしている。
お笑いと漫画。
何も持たない者が、マイク一本ペン一本で一夜にしてスターダムにのしあがり巨万の富を得る。
人気とマネーを欲しいままにするだけでなく、成功したお笑いやマンガは時代の空気をがらっと変え、人々の物の見方を転換し、二度と後戻りできなくしてしまう。
アメリカン・ドリームの体現者ウォルト・ディズニーウォシャウスキー兄弟が世界中の人たちの物の見方を変え、ジョブスがiPhone無しの世界に後戻りできなくしたのと同じことである。

日本に生きるビジネスマンは、ジャパニーズ・ドリームの体現者であるお笑い芸人からサバイバル戦略を学ぶことが出来る。
何故か。
お笑い業界には生き馬の目を抜くビジネス界に共通するいくつかの特徴があるのだ。

1.お笑い界は究極の成果主義〜 Winner takes allとたけしのエコシステム

ビジネスマンを悩ませるのが四半期ごとに要求される成果である。
しかしお笑い芸人に言わせれば、四半期ごとの成果なんてまだ甘い。
カメラの前の数十秒から数分、演芸場の板の上なら数十分ごとの成果を、彼らは求め続けられているのだ。
そしてお笑い界は究極のWinner takes all、勝者総取りの世界である。
ビートたけしタモリ、さんまといった面々が何十年テレビのど真ん中を占領し続けているか考えると、永続的優位がいかに成功に必須のものかわかるだろう。
一度業界のナンバーワンを取ると、自らマーケットを作っていくことが出来る。
若くして大成功したビートたけしは、早い段階から弟子を取りたけし軍団を育てた。
浅草のストリップ場の板の上で育ったたけしは古典的な演芸にリスペクトを潜めており、映画『座頭市』などにもその念がにじむ。
滅びゆく古典芸能を投資家の金を使ってフィルムと観客の目に焼き付けておこうという執念を感じるシーンが、『座頭市』にははしばしに見られるのだ。
そんな古典芸能へのリスペクトを持つビートたけしだが、かつてたけし軍団について景山民夫との対談でこんなことを語った。
おいらね、軍団にはお神楽とかの古典芸能を一つと楽器を一つ習わせてるの。お笑い芸人がそこらのアイドルとかより歌上手かったら、業界変わるぜ。
成功したらそれを次の芸人に投資し、自らの価値観を広め、業界のルールさえ変えようとする姿は、シリコンバレーのエンジェル投資家によるエコシステムを彷彿とさせる。>

夢想のほうはまだまだ続くがキリがないのでこのへんで。
忘れないように夢想のトピックだけメモ書き。

・お笑い界は共存共栄しつつ熾烈な競争〜業界全体の発展を常に考える
・笑いは国境を越えられない〜ガラパゴスの中で、まず勝つ
・常に求められる『新しい笑い』〜『新しい笑い』はあるが、『新しい泣き』はない。イノベーション必須のお笑い界
・どこに生存場所を見つけるか〜テツandトモ綾小路きみまろ、そして小島よしお
・市場をセグメント化、ターゲットを設定する〜『老若男女に愛されるお笑い』という虚像から抜け出し、若者に特化した紳助竜介ダウンタウン、そして綾小路きみまろにより発見された超巨大なほんのりシルバー大陸
とんねるずとDestroy your business
ダウンタウン〜すべてをブレイクした男たち
・戦略の重要さ〜島田紳助の場合。『紳竜の研究』にまなぶ
・何十年も市場に居続けられる凄さ〜『笑点』、ダチョウ倶楽部、染乃助染太郎に学ぶ、期待に過不足なく応えるキャラ設定とベタさ
・市場からの退場。M-1出場要件はなぜ『結成10年以内』だったか。
ブルーオーシャン戦略とピース又吉
・『タモリ倶楽部』とニンテンドー花札〜自分が何者だったかを忘れない
・アドリブが効くという誤解〜数百時間の練習とネタ帳がようやく生む笑いという成果
・狂気を商品化する〜日本エレキテル連合の場合。など
誰かこんな感じで本作ってくれないかなあ。
高田文夫監修ならいけそうな気がする。
つくづく、ナンシー関の早逝が悔やまれる。
現実的にはマツコ・デラックスに語らせて経営学教授に監修してもらうか、厚切りジェイソンに知恵袋をつけて語らせると立ち位置的に商品化できそうである。
(FB2015年7月19日を再掲。ほんとに誰か書いてくれないかなあ)


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