正論7月号「セクハラはチンパンジーもやっている 長谷川三千子✖️竹内久美子」批判

「セクハラは

      チンパンジー

          やっている

      長谷川三千子

      竹内久美子

575 77(注1)。筆者名も入れると短歌みたいになるそんな記事を、正論7月号が載せている。

記事の主旨は要するに、

〈竹内 生物の二大テーマが生存と繁殖。これしかないんです。セクハラも繁殖行動の延長と言え、これはいけない、あれもダメとがんじがらめに制限するのは、私から見るとおかしい。〉(正論2018年7月号 p.246)

というものだ。

バカを言ってはいけない

セクハラが繁殖行動の延長ならば、I  hate to  say,  セクハラの末に「繁殖」に成功したならばセクハラ男性は喜ぶはずじゃないか(注2)。そんなヤツはいない。

この記事の中にも出て来るが、訳知り顔で「男は自分の遺伝子をバラまきたいからあちこちの女に手を出す」と語る人がいるが、自分の遺伝子を残すために不倫したり浮気したりするんだったら、不倫相手や浮気相手をどうにかして、mmm, I don`t wanna say, 妊娠させようとするはずじゃないか。繰り返すが、そんなヤツはいない。

「男は自分の遺伝子をバラまきたい生き物だから浮気するけど、実際に妊娠とかなると社会的に困るからさ、そういうときは理性が働くんだな」と言い訳する人もいるだろうが、その理性、もっと早めに発動させることをお勧めする。

 

この手の、自分の都合のよいように科学を恣意的に引用する論法には引っかからないほうがよい。

「①セクハラはチンパンジーもやっている。

         ↓

②人間はチンパンジーと同類だ。

         ↓

③だから、人間のセクハラも目くじら立てるな」

という論理構成は、②の部分を入れ替えて、

「①セクハラはチンパンジーもやっている。

        ↓

②人間はチンパンジーではない。

       ↓

③だから、人間のセクハラはいけない」

と容易に変形できる。

論じる者の好きな結論に至れるのだから、こんなものは論理ではない。

 

チンパンジーは服を着ないが人間は着る。

チンパンジーは核戦争をしないが人間はする。

チンパンジーは正論も産経新聞赤旗朝日新聞も買わないが、人間は買ったり買わなかったりする。

チンパンジーのことはチンパンジーに決めさせよ。

人間のことは人間で決めよう。

チンパンジーがセクハラしてるからってそんなにセクハラを認めさせたいのなら、いっそのことチンパンジーに弟子入りすればよいではないか。
(続く)


(注1) タイトルが575 77になっているとの指摘はtwitterで誰かがしていたのの受け売り。

(注2)「遺伝子をばらまくために浮気するんなら、浮気相手が妊娠したら喜ぶはずじゃないか」との指摘も、ネット上で誰かがしていたのを受け売り。

 

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