スポーツ団体のえらい人のパワハラ問題などがずっとニュースをにぎわしている。
組織や会社のトップのほうにセクハラ・パワハラ的なとんでもない人がいる理由には少なくとも4つある。
イメージしやすいように次長課長と仮置きする。お前に喰わせるタンメンは無え。
さて組織トップにパワハラ的な人が跋扈する理由だが、第一に、権力は人を腐らせる。古来より帝王学が存在するのは、そうしたものがないと帝王の地位が人を傲慢不遜にしてしまうことの裏返しである。
第二に、出世競争というのは一種の権力闘争なので、人としての良心のない人の方が残念ながら勝ち残りやすい。ライバルに向けた銃の引き金を躊躇なく引ける者のほうが生き残りやすいわけである。
第三に、これは1とも関連するのだが、「ピーターの法則」がある。ダイヤモンド社から出ているローレンス・J・ピーターの同名書の受け売りであるが、「組織はそれぞれの無能レベルに応じた者によって満たされる」という法則だ。
有能な課長がいたとする。有能な課長は有能さゆえに次長に引き立てられるが、セクハラ・パワハラ的要素も持っているとする。有能&パワハラな元課長兼現次長は、有能さゆえに部長に取り立てられる。いつしか彼は取締役になるが、セクハラ・パワハラゆえに社長になれる器でないとすると、出世コースはそこで行き止まりで、定年までそのポジションで過ごすことになる。取締役のポジションはこれから何年もの間、パワハラ人材によってオキュパイされることになる。同様に、部長の座、次長の座、課長の座はパワハラさがそのポジションが要求する有能さを上回った者によって占められていく。
第四は、第三の理由と逆のベクトルである。パワハラ・セクハラ課長が現場に迷惑をかけているとする。「止めてください」「辞めてください」と周囲が言っても彼は聞く耳を持たない。なぜなら彼はパワハラ人材だから。困り果てた部下たちは一案を思いつく。「現場から離れてもらおう」。「〇〇さんはもっと大きな仕事をするべきですよ」とか言っておだてて上のポジションに押し上げて現場から隔離する。一種の厄介払いである。次のポジションでも同様なことが起こって、結果、現場からもっとも遠い一番上のポジションにとんでもない人物が押し上げられてセクハラ・パワハラ暴君が誕生する。
上記の4つの力学が相まって、時としてとんでもないセクハラ・パワハラ暴言王が絶大なる権力を持ってしまうんだよなあ、とクアーズとバドワイザーをちゃんぽんで飲みながらホワイトハウス勤務の友人がグチっていた(嘘)