「勢い」考。

「勢い」とはなんだろうか。
先日、友人Aと話していてそんな話になった。
僕は不可知論者/agnosticなので、できるだけ超自然以外のものに答えを求める。
誰かが「勢いに乗っている」状態はどのようにして作られるのか。考えながら書いてみたい。
 
 「勢いに乗っている」人のまわりを見回してみる。
まず第一に、人間は「勝ち馬に乗る」生き物であることを指摘したい。なんだかうまく行っている人には、ついていきたくなるのだ。
だから一個仕事がうまくいった人には、次の仕事が舞い込む。そうやって、仕事がうまく行っている人には雪だるま式に仕事が舞い込む。
人気者はますます人気者になっていく構図だ。
人間の、「勝ち馬に乗る」という習性は「失敗したくない」という性質と表裏一体だ。
 
考えながら書いているのでどんどん横道にそれる。
以前に、大物詐欺師と会ったことがある(本当)。
アメリカの大学の医学部を出ながら医師にならず、テクノロジー系の会社を興し、日本の政府のアドバイザーなどを歴任したと称する人物だ。
この人は山本一郎氏などに「経歴詐称である」と筆鋒鋭く追及されて表舞台から姿を消した。
 
ほかにも「海外の名門大学を複数出て今は投資会社を経営している」という触れ込みの日米ハーフタレントという人もいた。この人は文春砲で消えたが、はたからみると「よくそんな経歴詐称してバレずに大舞台まで来たな」という詐欺師はチラホラいる。
 
こうした経歴詐称系詐欺師も、前述の「勝ち馬に乗りたい」「失敗したくない」という人間心理を利用しているといえる。
雪だるま式に膨れ上がる高評価というものの核となる最初の雪玉さえ作ってしまえば、あとはそれをうまく転がして大きくしていくことが可能なのだ。
 
なんとかして最初に小さな詐欺仕事を成し遂げれば、「前にこんな仕事しました」と実績になる。
その実績をもとに、「なんだか“勝ち馬”っぽいな」と思わせる。ある程度実績が出来ると「仕事の依頼先を探しているが、“どこの馬の骨”か分からないような未経験者に任せて失敗したくないな。最近名前が売れてきたあの人は“勝ち馬”っぽいから依頼しよう」というふうに大企業や大組織から仕事が舞い込んで来る。
 
勝ち馬といえば先行逃げ切り型と追い込み馬というのがいるが一般的にどちらが有利なのだろうか。そもそも競馬では
 
閑話休題。
「勢い」の話をするつもりが「詐欺師」と「馬」の話しかしていない。
こういうのを、筆の「勢い」というのだろう。