内村鑑三が星野リゾート星野佳路氏の祖父に贈った『成功の秘訣』

何か事を成そうとした時、あるいは自分の頭で考え自分の力で生きていこうとすればするほど、悩みというのは生まれてくる。そんなときには何か指針や名言にすがりたくなる。どうせすがるなら、指針やアドバイスは良質なもののほうがよい。

 

〈一、自己に頼るべし、他人に頼るべからず。
一、本を固うすべし、然らば事業は自づから発展すべし。
一、急ぐべからず、自働車の如きも成るべく徐行すべし。
一、成功本位の米国主義に倣ふべからず。誠実本位の日本主義に則るべし。
一、濫費は罪悪なりと知るべし。
一、能く天の命に聴いて行ふべし。自から己が運命を作らんと欲すべからず。
一、雇人は兄弟と思ふべし。客人は家族として扱ふべし。
一、誠実に由りて得たる信用は最大の財産なりと知るべし。
一、清潔、整頓、堅実を主とすべし。
一、人もし全世界を得るとも其霊魂を失はば何の益あらんや。人生の目的は金銭を得るに非ず。品性を完成するにあり。〉

 

大正15年に、内村鑑三が星野リゾート社長星野佳路氏の祖父に贈ったアドバイス、『成功の秘訣』だという(中沢康彦『星野リゾートの教科書』日経BP社 2010年 p.200-202)。今読んでも全く古びていない。
星野佳路氏は、事あるごとにこの『成功の秘訣』を読み返してきたという(同書p.199)。

 

もちろん置かれた状況は人によって違うし、全てを金科玉条として縛られる必要はない。だが内村鑑三のこの言葉はとても良いものだと思われるので、知っておいて損はないだろう。
良いものはね、なんぼあっても邪魔になりまへんのや。

 

3分診療時代の長生きできる受診のコツ45

3分診療時代の長生きできる受診のコツ45

  • 作者:髙橋 宏和
  • 出版社/メーカー: 世界文化社
  • 発売日: 2015/11/06
  • メディア: 単行本